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植生調査 - 松村俊和のページ:日記

最終更新時間: 2009-12-01 22:42

2009-02-22

植物相調査の被度をどう記録するか?[diary][植生調査]


Rで解析をしていて,論文の解析結果が前と違っていた.元データ自体は変わっていないし,追加したデータもない.それなのに,おかしい.しばらく前からこの問題で引っかかっていた.
これがようやく解決した.元データの形式を少し修正していたのに,それを忘れていた.調査区を設置した植生調査の場合は,被度を0から1まで(%だったら0から100までだが,%にするかどうはか好みの問題)の間で記入するようにしている.調査区以外での植物相調査の結果を入力しているところで,はじめは被度を9999としていたのを,0に修正していた.これだと,解析をしている途中で調査区で出現してないのと,植物相調査で出現していないのとが区別できない.この教訓として,2つのことを感じた.
1つ目は容易に元データの形式をいじってはいけない(なんと当たり前なことか!).
2つ目は,植物相調査での結果をどのようにするか,決めておかなければならない.9999というのは,通常ではありえない数字なので,解析途中で植物相調査の結果だと気づきやすいが,9999というのは問題がありそう.かといって,0というのもどうか.0ではないけど,平均をしたときに影響が出ないぐらい小さい数字(0.000000001)とかむちゃくちゃ小さくしておくというのがいいか?でも,これはcover>0に引っかかるのが問題だ.-1などの負の数字にしておけば,cover>0に引っかからなくて,cover!=0(0以外)というのに引っかかるので便利そうだ.でも-1だと何かとの平均などの計算をしたときに混ざってしまう可能性がある.すごく大きな負の数にしておけば,cover>0やcover!=0の問題は解決するし,平均したときに変な数字が出る.これがいいかな?
調査区と植物相のそれぞれの調査での出現の有無別(○−)の抽出方法(Rだったらsubset()を使う)は下のような感じか.
調査区 植物相 抽出方法
cover>0
cover!=0
cover<0
cover==0
もう少し考えよう.妙案をお持ちの方は教えてください

2009-02-08

調査区の設置方法[diary][教訓][植生調査]


だいぶ前に書いた日本語の論文を後から読み直すと若気の至りのところが多くある.現地調査の手法では,こうしておけばもっと良かったのにという点が多い.例えば,2m2の調査区を設置する場合,単に1つの2m2として記録したことがあった.その研究ではそれでよくても,後から1m2の調査区2つには分割できない.隣接した2つの1m2にしておけば,2m2で解析することも可能だし,1m2として分割して解析することは可能である.もちろん隣接地であるため,類似の調査資料の組み合わせができることを認識しておかなければならない.類似の調査資料が研究の対象として望ましくなければ,場合によっては隣接地のうち1つだけ使うということもできる.
まあ,後から考えれば何とでもいえる.これから先の研究への反省材料として活用しよう.

2008-07-21

被度のデータ[植生調査][論文]


北大の久保さん植生学の被度データについて書かれている.まとまった文章だが,自分なりにまとめなおすと,以下のようなところ.

結局のところ,植生調査の被度は定量的っぽいけど,厳密な意味での定量的な情報ではないのが問題だというところか.厳密な意味での定量性を求めるのならば,調査枠内に小さな副調査枠をたくさん(百分率であれば,10*10で100個の調査枠)設置すべきで,そうでなければ調査枠全体を有無データにすべきというところか.また,階級値の被度は多項logistic回帰(Rのlibrary(nnet)のmultinom()関数)をするべきということのよう.
多項logistic回帰の参考ページ
  • http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~kubo/ce/NeuralNetwork.html
  • http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~kubo/log/2007/0721.html#04