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1-2-2 p値の示し方(Exact p-value)
統計学的に有意でなかった検定の結果を、一律に“N.S.”や“not significant(有意差なし)”と示すよりも、例えばP=0.23のような実際のp値(Exact p-value)として示す方が望ましい。
表や図の中で示されるp値は本文の中で繰り返される必要はない。通常、p値は小数点以下3ケタ(P=0.025、P=0.003)まで示されるが、p値が0.1より大きい場合には、P=0.25のように小数点以下2ケタで充分である。非常に小さいp値の時はP < 0.001やP < 0.0001のように示して構わない。“p”でも“P”でもどちらでもよいがP(大文字イタリック)が国際標準である。
1-2-3 点推定値と信頼区間
2) 平均値は通常、元のデータを越える有効ケタ数を示す必要はないが、標準偏差や標準誤差は元のデータより1ケタ多く示す。割合をパーセントで示す場合、 56.47%というように小数点以下2ケタまで示す必要があることは稀であり、特に例数が少ない時には38.6%のように小数点1ケタを示すことも必要でない場合も多い。極めて少ない例数における割合の表示でパーセントを用いることは避けるべきである(例:1/1=100%、2/2=100%)。tや χ2、rのような検定統計量は小数点以下2ケタで充分である。ただし、これらの注意点は結果の表示の際の話であって、解析の途中では(切り上げ、切り捨て、四捨五入のような)まるめは行うべきではない。
2-1-3 統計学的有意性と臨床的意義
例数が充分に多い(sample sizeが大きい)場合は、小さい差であっても“統計学的有意”となりうる。仮想的には1500例以上を登録する無作為化比較試験では5年生存率で5%以下に相当する小さな(生存時間分布の)差を検出できることになる。こうした小さな差が仮に“統計学的に有意”であったとしても、個々の患者の治療においては臨床的に必ずしも重要であると言えない場合があるだろう。一方、例数が少なくて、非常に大きな差であっても“統計学的有意差”が得られない場合があるが、それが臨床的に重要な差であるとみなせるならば単に“有意差がない”として無視されるべきではなく、さらなる検討の対象とされる(新たな臨床研究を行う)べきであろう。研究者は「統計学的有意差」と「臨床的な重要性」を明確に区別する必要があり、“臨床的に意味のある差”を検出し得るような研究デザインを組むべきである。
2-1-5 確定的か探索的か?
確定的なデータ解析か、探索的なデータ解析かは常に区別されなければならない。
探索的データ解析の弱点は先述した多重性である。すべての探索的データ解析の結論は「さらなる検討を行う必要があり、かつその価値がある」か、「これ以上検討の価値がない」かのどちらかである。いかに“高度に有意な”結果が得られようとも基本的には同じである。なぜなら、予め計画された以外の探索的な解析では、自由に何通り(何十通り、何百通り)もの計算が可能であるため、意図したかそうでないかに関わらず“差のありそうな”比較に注目して進められた(“fishing”と呼ばれる)可能性が常にあり、“たまたまその時だけ偶然に出た(有意)差”を拾っているに過ぎないことを否定できないからである。
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最終更新時間: 2009-12-01 22:42